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第21回 ヤバいぞ、「本末転倒」

2024.12.20

今年の夏は破壊的に暑く、長かったので、季節の変化の肌感覚がめちゃくちゃなことになりました。ずっと以前、私が学校現場にいたころから私は、通りがかりの教え子をつかまえてこんなことを言ってましたっけ。

「春とか秋とか、中間的な季節は廃止するって、国会で決まったぞ。」

 もちろんホラだとすぐわかる話なんだけど、今となっては実感としては肯定せざるを得ない部分もある。今年の秋って、1か月もなかったような気がするんですがねえ。

 だから、気が付けば早くも忘年会シーズンだ。血液検査の数値と常に格闘している私にとってはまさにこれからの季節が天王山。これを乗り切るためにはさまざまな努力、というか我ながら滑稽な徒労を積み重ねてまいりました。例えば。

 忘年会が始まる前に「ウコン」をのむ。

 これを実行されているそこのあなた! 同志と認定させていただきます。

飲酒を主旨としたイベントでは、必ずこいつを売ってます。例えばですね。

これは毎年10月に開催される広島県東広島市の西条で開催されている「西条酒祭り」の会場入り口での証拠写真。(この手は私の手よ)

私はこのお祭りが大好き。いつもは静かな酒蔵の町が、祭の2日間はどこからこんな大勢の人たちが集まったのかと思うぐらいの大混雑。しかも大半が酔っている。でも無様で無礼な酔っ払いはほとんど見ませんね。東広島市民を挙げて成功させているすごく良いイベントです。

さて、祭に参加する前に「ウコン」1本をぐぐっと飲み干せばもう百人力。この手続きを済ませた後、私はいつもの「賀茂泉」の蔵で、青竹に注がれた純米酒をのむのでありますね。

焼きみそをなめながらのむ「竹酒」。

竹のかおりが心地よい。至福とはこのひとときのことだ。

思い出すだけでたまらん気分ですな実際。この祭に参加するたびにいつも同じ展開を楽しんでいます。来年は一緒に行きましょうよ。

しかしですね。酒祭りの冒頭部分で「ウコン」を服用するのは何のためなのでしょう。

 

ウコンに含まれるクルクミンが、二日酔いの元凶であるアセトアルデヒドの分解を助ける、という話はよく聞きますね。つまり、本来はこういう道すじのはずだ。

 ウコン服用→飲酒後の二日酔いが軽減→翌日以降の生活が健全化する。

 ほんとうにそうなのか。私はここで世の中の情けない酒飲みたちの本心を代表して、あえて申し上げたい。飲酒前にウコンを服用する酒飲みの本心はこうじゃないのか。

 ウコン服用→飲酒できる量が増える→酒量に比例して楽しさが増加→これぞ酒飲みの王道。

 しかし、一見豪快なこの経過の後には、

 →さらに飲酒続行→矢でも鉄砲でももってこい→どうやって帰宅したのかわからんが家にいる→気持ち悪い→家族から非難ごうごう→後悔と反省。私は弱い人間です。

 と、いう流れがあるのではないか。

 これを極端と考えるか典型とみるか。でも、この「ウコン悪用」の流れはクルクミンの効果を快楽主義に全投入していることは明らかだ。そこで私はいつも思う。

 飲み会の前にウコンをのむ人々のなかには、「本末転倒」という無間の暗黒面に落っこちている者が相当数いるに違いない。

 だって、自分がそうだから。

 ウコンをのめば、竹酒が3杯しかのめないところが5杯のめる。ことによると7杯のめるかもしれない。

なんて意地汚い思考なんだ。

 とは言ってもね。私はこう思うよ。

 人間は「本末転倒」というあやまちを、たやすく犯してしまうのです。

 健康のために、人はいろいろ考えますね。でもこんなこともある。

 

 胃弱のひとがお粥をたべすぎて腹をこわす。養命酒をのみすぎて二日酔いになる。タンパク質を取りすぎて腎臓をわずらう。こう書けばいかにも馬鹿馬鹿しいんだが、共通点は「限度を超えてやりすぎる」ということですな。「本末転倒」のループにはまり込んでしまうと、人はこんなことまで言い始める。

 「健康のためなら、死んでもいい。」

 本末転倒って、ヤバい。

 そろそろ、読者の皆さまに今回お伝えしたかったことに取りかかります。

 学校現場にいるとき、たくさんの仕事量につぶされかけていることを自覚した先生たちから、こんなことを聞かれました。

 「教員の仕事って、いったいなんですか?」

 これは難しい質問ですよ。

 私は即答を避けて、数日かけて彼らに説明するためのストーリーを考えました。

 そのストーリーを貫くのが、「本末転倒のヤバさに気づけよ」という考えかたでした。

 ウコンをのめば、さらに多量の酒をのめる。このヤバさだ。

 くわしいお話は、次回ね。

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